美しい紫色をした水晶、アメジスト。
この高貴なるパワーストーンは、強い魔除けの力と、心身を浄化するエネルギーを有している。
悪酔いを覚ますというアメジスト
ギリシャ神話における、アメジストの伝説は有名だ。
ある日、お酒の神様ディオニューソスは悪酔いし、通りがかったものを虎に襲わせようと画策した。
狙われたのが月の女神アルテミスに仕える少女、アメジスト。虎に襲われた彼女が女神に祈ると、女神アルテミスは彼女を水晶に変え、虎の牙から守護した。
さて酔いが覚めたディオニューソスは自分のしでかしたことに後悔し、水晶と化したアメジストに葡萄酒を注いだ。
すると水晶はその葡萄酒を吸い込み、美しい紫色へと変わった。
この神話から、アメジストというパワーストーンは悪酔いを覚ます―――悪いエネルギーから持ち主を守るものと信じられてきたのである。
アメジストは内外の魔を祓う
アメジストの最大の効力は、魔除けだ。
外部からの、悪い霊的なエネルギー、他者の負の思念などからのバリアーとなることはいうまでもないが、「酔い覚まし」とも呼ばれるとおり、アメジストは持ち主の内なる魔も浄化する。
他者への憎しみ、劣等感、歪んだ欲望……そういう本人にとっても周囲の人にとっても害となるものを、掃除してくれるのだ。
有害なものの排除は、開運においても最優先事項。自身の内にどれだけプラスのエネルギーを注ぎ込んでも、悪いものがそこに溜まり込んでいては意味がない。
持ち主に強いパワーと幸運を与えるというパワーストーンを持ってもどうにも効果が感じられない、というひとは、まずはアメジストを所持し、自分の内なる穢れを祓うところから始めると良いかも知れない。
恋愛的な面においては、アメジストは誠実でおだやかな愛をもたらしてくれる。
派手で華やかな魅力を持つ「悪い男」に振り回されてばかり、というような女性であれば、アメジストを持つことで、誠実で優しい、本当の意味での素敵な男性に巡り会えることだろう。
体や環境を浄化するアメジスト
身体に対しても、アメジストは「魔除け」と「浄化」をもたらす。
アメジストの深い紫色を見つめながら瞑想しよう。そうして自らの血が、神経が、遺伝子がきれいになってゆく様をイメージするのだ。瞑想から覚めたとき、体がとてもスッキリして、軽くなったような感覚が得られることだろう。
精神に関しては、おだやかで自然な意志の強さ、とでもいうべきものが身につく。
酔い覚ましの逸話通り、過度の飲酒癖のある人はそれを抑えることができるようになる。
他にも喫煙、賭博、暴飲暴食など悪い習慣がある人の助けとなるだろう。
こちらを都合の良いようにコントロールしようとする他者に対して、おだやかに、しかしきっぱりと拒絶の意志を表明できるようになる。
ビジネスや金運においても大きな効果をもたらす。やはりその内に「悪いものがない」状態というのはなにより強いからだ。
中国文化―――つまり風水の世界においても、アメジストは大いに愛されている。中国人の方が経営される飲食店などに行ってみると巨大なアメジストドームが飾られているのを見たことがあるのではないだろうか。
その場の気の流れを高貴なるアメジストで浄化し、整える。それが商売繁盛のための基礎であると、中国人たちはわかっているのだ。