五月の誕生石のひとつとされ、古くから特に東洋において「聖なる石」「神の石」と呼ばれてきた翡翠(ジェイド)。

 それを身につけた人は、心の中に大いなる安らぎを感じ、そして自分の奥底に静かに眠る輝きを見いだすだろう。

徳を高める神の石

仏像

 やわらかくあたたかな緑色をした翡翠は、とても強く壊れにくいことから、太古より石器武器、食器や装飾品、彫像などに加工され、利用されてきた。

 中国においては特にすばらしい霊力がこもった石とされ、不老長寿や死者の復活すら成し遂げると信じられた。

 そのもっとも特徴的な力は、持ち主の徳を高めるということ。徳、というと抽象的な概念だが、儒教における五常の徳(仁・義・礼・智・信)を中心とした高潔な精神、と考えれば良いだろう

 翡翠のアクセサリーを身につけた人は、まずその心の内に、とても穏やかな落ち着きと、充足感を覚えることになる。

 自分の外的環境がなにか変わったわけではない。様々な問題や不満点も、そのままかもしれない。けれどもそれを受け入れ「足るを知る」心持ちになれるのだ。

 パワーストーンを身につけようという人は、やはり何かしらの「効果」や「御利益」を、石に対して求めていることと思う。

 逆説的なことながら、翡翠を身につけると、そういった御利益を求める心が薄れてくる。

 けれども清貧を良しとし貧乏で不遇な暮らしを続ける、となるわけではない。

 これまた逆説的ながら、御利益を求めなくなると共に、様々な幸運―――富や成功が、翡翠の持ち主に舞い込んでくるようになるのだ。

翡翠による正しき「引き寄せの法則」

 いわゆる引きよせの法則の理から考えれば不思議なことではない。翡翠を持つことによって持ち主の内に生まれる「充足・充実した状態」「幸福な状態」は、それらと同質のものを引き寄せる。

 富める者はますます富む、という言葉通りになるわけだ。

 翡翠を身につけた人の内に生まれた徳は、そのひとのオーラにも影響を与える。

 翡翠の持ち主は積極的にみんなを引っ張るリーダー的存在になることはないかも知れないが、ある種リーダー以上に権威のある、例えばいざというときのための「ご意見番」的存在として、人々の尊敬を集めることになるだろう。

 翡翠の優しい緑色は神経に安らぎを与えるので、エメラルドと同じように目を癒やし、肉体的・精神的な疲れを取り除く。

 また翡翠のエネルギーは、肝臓、腎臓、胃腸に良い影響を与えるとされる。内臓の調子が良くない方は翡翠を持つことが助けとなるかも知れない。

 恋愛に関しては、お互い高い道徳心を持った者同士で惹かれ合う。浮気も裏切りもない、信頼に基づいた誠実なパートナーシップを築けることだろう。

 逆にいえば、現時点においてパートナーに不誠実、不道徳なところがあるようなら、翡翠の力を借りると良い変化が訪れるかも知れない。

 その場合は、パートナーに翡翠を持たせるだけではなく、自身も翡翠のアクセサリーを身につけるようにしよう。相乗効果により、互いにより良い人間へと成長していけるだろう。