暗めのグリーンに血のような赤い色彩が走っているブラッドストーン。

 ジャスパーに酸化鉄が含まれることで生まれるこの石は、所持した瞬間から持ち主の血を少しずつ活性化させ、やがてその心身に大きな力を与えてくれる。

持ち主の血を少しずつ活性化する石

 コーラルアクアマリンと共に、3月の誕生石とされるブラッドストーン。

 その外見は、正直ひとによって好みが分かれるところだろう。

 見方によってはグロテスクにも思えるその姿は、しかし不思議と、眺めているだけでふつふつと活力を向上させるものがある。

 ブラッドストーンは古くから様々な地域において、血液に関する体感を人々に与えていたようだ。

 ブラッドストーン、和名においても「血石」―――石のその名の由来は、外見上の赤色だけでなく、人々のそのような経験からも来ていると考えられる。

 ブラッドストーンを持つと、その瞬間から、その人の血の状態はじんわり少しずつ良くなっていく。

 無理矢理に血を沸き立たせるわけではない。その活性、あるいは癒やしはあくまでゆっくりだ。

 血が必要とするなら、休息をさせようともするだろう。血が飢えているなら、滋養を与えようともするだろう。

 ブラッドストーンを持った後、身体が眠りや休息を求めたり、食べ物を欲したりした場合は、素直にその欲求に従おう。

 食べ物は、欲しいと感じるものを摂るようにしよう。ブラッドストーンはあなたの本能にすでに働きかけているので、何を食べるかにおいて適切な判断ができるはずだ。

成長のための活力を与え、女性には出産のお守りにも

妊娠

 そうして少しずつ血が健やかになるにつれて、肉体はもちろん精神的な面でも活性が起こり始める。

 生き、成長していくために必要な様々なことへの欲求が高まり、心身共にエネルギッシュになってゆくのだ。

 その欲求を満たすために、バリバリ動き出そう。仕事、勉強、運動……すべてのことに、熱意を持って行動するのだ。

 ブラッドストーンは、頭脳労働にも有益だ。健全な血を必要とするのは、なにより脳だからである。血の巡りが良くなった脳はそのキレも回転も増し、すばらしい働きを見せるようになる。

 疲れを感じたなら、そのときは素直に休もう。ブラッドストーンは血に働きかけ、あなたのなかの疲労物質を洗い流し、滋養や栄養を身体の必要とする箇所に届けてくれる。さほどの時間もかけず、あなたは全快できることだろう。

 なおブラッドストーンはその外見から男性的な石というイメージもあるが、女性にも極めて有益だ。

 血を元気にし、また適切な止血ももたらすブラッドストーンは、女性の生理を安定させ、それがもととなる不調をやわらげてくれる。

 また生理時、老廃物と共に古い血を排泄して身体を清めてもくれるので、むしろ体調が良くなったり、外見が美しくなったように感じる人もいるようだ。

 子孫繁栄・安産のお守りとしても有力で、この石を持つと子供を授かりやすくなるともいわれている。

 また授かった後は、臍の緒を介して「血の繋がった」胎児を健全に育て、出産の際にもトラブルなく子供が誕生できるよう、母体を守り導いてくれるのだ。