和名では燐灰石(りんかいせき)と呼ばれるアパタイト。

 あざやかな水色~青色が魅力のこの石は、産出の段階では他の鉱物と見分けがつきにくいところがあり、それゆえ「惑わす」「ごまかす」という意味のギリシア語「apate」が語源となって、その名が付けられたといわれている。

 にもかかわらず、このアパタイト―――非常にストレートな、正直な性質を持つ石でもあるのだ。

ストレートに自己を主張する正直者の石

Girl

 アパタイトが所有者にもたらす第一の効果は、言語能力の向上だ。

 特に口頭での言語能力―――すなわちトーク能力が向上し、様々なことを主張することが大の得意となる。

 人前で話すのが苦手、いやむしろ、人と会話すること自体が苦手というひとにとって、大きな力となってくれる石といえる。

 しゃべりが達者な「惑わし」「ごまかす」石というと、まるで嘘や詐欺の能力が高まりそうにも感じるが、実際のところアパタイトの方向性はそれとは正反対だ。

 アパタイトの持ち主は、性格そのものが明朗となり、嘘やごまかしができなくなる。

 トークがうまくなるといっても、まわりくどい言い回しや表現は好まず、伝えるべきことをストレートに伝えるようになる。

 そんな正直でわかりやすいアパタイトの持ち主は、自然と多くの人からの信用と信頼を得られるようになるだろう。

 石の名の由来を思うと不思議な気もしするが―――よくよく考えればそうおかしなことでもない。

 他の鉱物とつねに間違われてきたアパタイトだからこそ、必死に、ストレートに自己を表現し、自分を認め理解して貰いたがっている―――そんなふうにも考えられるからだ。

様々なエネルギー、物事を“繋ぐ”石

握手

 またアパタイトは、様々なエネルギーを引き寄せ、“繋げる”石でもある。

 なにを“繋げる”のか? まずはなんといっても、人間同士の関係だ。集団の絆や結束を強めるのだ。

 集団のリーダー的立場にある人がこれを持てば、多くの個性ある優秀な人材を集めつつ、仲間たちそれぞれの人間関係をうまく調和させることができるようになる。

 前述した持ち主の明朗で正直な態度が、仲間たちの信頼を獲得することもまたいうまでもない。

 恋愛に対してもまた同じ。家族に対してもまた同じだ。

 アパタイトも持ち主は、その正直な特性をもって、それぞれ異なる人間同士を引き寄せ、その絆を“繋ぎ”、その関係を強固にする。

 また心身の状態が不安定なときにこの石を持つと、「肉体」と「脳」と「心」をうまく“繋ぎ”、統一させることで、思考や行動の方向性を安定させてくれる。

 やりたいこと、やるべきこと、様々な状況がぐっちゃになって混乱しているようなとき、アパタイトは良き助け、良き道しるべとなることだろう。