様々な美しい色彩、輝きを有するパワーストーン。
見ているだけで楽しくなるそれらは、心をワクワクさせ、あるいは落ち着かせ、精神を癒やし、実際の体の健康にも寄与する。
ここでは心と体を健康に導くパワーストーンと、その利用の心得を考えていこう。
まず第一に心がけるべきことは…
最初に、第一の心構えというか、念の為の注意事項となるが―――
もしあなたがいま、実際になにかの病を得て苦しんでいるのであれば、きちんとした医療機関による治療を受ける必要がある。
例えばそれを、パワーストーンの力だけでなんとかしようとか、そのようなことを考えるべきではない。
病を得て、医者にかかるのは空気を吸い、水を飲み、食べ物を食べるのと同じように当たり前のことだ。当たり前のことを疎かにして、良い結果が出るはずもない。
世の中には病院が嫌いで、なんとか医師に頼らぬ方法で体を良くしようと望む人があとをたたないが、そのような姿勢はやはり不健全と心得るべきだ。
祈りと瞑想、あるいはポジティブイメージであらゆる願いが叶うとするニューソートの牧師、ジョセフ・マーフィー氏もこのような教えを説いている。
「病気のときは医者にかかりなさい。そのうえで、自分を治療してくれる医師に、その技術に、そしてその背後に在る神の力に感謝と祝福の祈りを捧げるのです」
世間一般において明らかに“良きもの”である医療に対し拒絶の念を持つというのは、その姿勢自体が悪いものを引き寄せるネガティブな態度といえる。
そのような消極的な在り方を避け、ポジティブな祈りの念を持つことで、医師やそのスタッフたちの能力を十全以上に発揮させることができるだろうし、患者自身の心身も、治療や薬の効果をより効率的に受け入れやすくなるのだ。
医療を受ける必要があると感じたならば、まずは医師や医療に対しポジティブな念を持つようにしよう。
良き医師と巡り会えるよう、世話になる彼らがその力を十二分に発揮できるよう、その人達の人生に利益と栄光がもたらされるよう……まずはその祈りをこそパワーストーンに捧げよう(そうすることで、実際すばらしい病院や医師と“引き寄せ”合えるはずだ)。
そうして適切な医療を受けた上で……
その治療効果をより促進させることを目的とし、パワーストーンの力を利用するようにしよう。
水晶で悪いエネルギーを浄化する
パワーストーンの基本であり、代表でもある水晶。
その浄化力は極めて高く、もしあなたの体の中に“悪い”エネルギーがあるならば、それを速やかに吸い込み、清め、無害化してくれる。
水晶は万能のパワーストーンといわれるが、その異名は癒やしや健康に関しても当てはまる。
害あるものを取り除き、かつそれがあった箇所を清める。―――そのシンプルな効果は、癒やしのために最も効果的なもののひとつであり、多くの問題を根本から解決する力でもある。
ただし、注意すべき点もある。
まずひとつは、ぐんぐん悪いものを吸い込んでくれる水晶だからこそ、お香や日光浴による浄化で定期的にそのオーラをきれいにしてあげる必要があるということ。
もうひとつは、水晶のその素晴らしい浄化力が、場合によっては強すぎる……こともある、ということだ。
強力すぎる水晶はある意味、度を過ぎた殺菌剤のような面もある。
それを使えば極めて清涼とした、無菌のような状態が得られるかもしれないが、その代償として心身に刺激と負担を与えてもしまうのだ。
またあまりに潔癖な状態というのも、それはそれで不自然かつ不健全なもの。
もし水晶を身に着け、そのパワフルさに疲れや違和感を覚えてしまう、というような場合は、水晶のパワーを多少なりとやわらかくする工夫をしてみよう。他のパワーストーンと組み合わせるなどの方法がおすすめだ。
アメジストは依存症を治す
神秘的な紫色の水晶、アメジスト。
透明な水晶に負けぬ癒やしと浄化の力を持つパワーストーンだが、一方で思考や精神に対する特別かつ独特な作用も有している。
古くから、酔い覚ましの石とも呼ばれたこの石は、心を落ち着かせ、脳内を明晰にし、持ち主を悪習慣や依存症から解き放つといわれている。
やめたくてもやめられないものから自由になれるとはどういう状態だろうか? 誘惑に耐えられる我慢強さが身につくということだろうか?
それもあるが、アメジストを身につけると、それら良くない誘惑に対する欲求そのものが、少しずつながら薄れてくる、ということでもある。
それまでは頭と心の中を占拠していたそれらへの興味がだんだんとなくなり、やがて「なぜあんなものに夢中になっていたのだろう?」と首を傾げるようにすらなるのだ。
禁酒、禁煙、ダイエット。それらに挑む人たちの大きな助けとなる石といえる。
ルビーやガーネットで血を元気にする
もっとストレートに、元気や活力がほしい! という場合は、やはり赤系のパワーストーンをこそ選ぶべきだろう。
多くの赤いパワーストーンはたいていにおいて持ち主に活力をもたらしてくれるものだが、その中でも特にパワフルなものが、ルビーとガーネットだ。
ルビーやガーネットは持ち主の血を清め、強化し、その流れを良くし心身を大いに活性化する。
どちらも美しい赤色をした宝石だが、その性質には違いもあり、どちらを選ぶかは人それぞれとなる。
勝利をもたらす石、ルビーは強烈なエネルギーをもって心身を高揚させ、所有者の行動を、日々を、人生を華々しく彩る。
努力を実らせる石、ガーネットはそれよりは地味ながら、力強くも粘り強い耐久力や精神力を与えてくれる。
トルマリンの“明確な力”をうまく利用する
健康効果のあるパワーストーンといえば、やはりトルマリンであろう。
世において語られる“トルマリン健康法”に関しては「理論的におかしい」という声も多々あるようだが、一方でトルマリンが古くから世界中において「健康をもたらす石」と呼ばれてきたことも確か。
それはつまり、様々な時代、様々な文化において、多くの人々が、トルマリンから何らかの有益な体感を得ていたことの証明といえる。
実際に電気という明確なエネルギーを有しているトルマリン。
その力をうまく利用するには、エネルギーに対する具体的なイメージを頭の中でしっかりと描くことが、ひとつのコツとなる。
あなたが癒やされたい箇所はどこだろう。肩だろうか? 頭だろうか? それとも手? 足? 内臓のどれか?
そこにトルマリンのエネルギーが流れ込むのをイメージしよう。
電気石たるトルマリンのエネルギーだ。ビリビリしたものを感じるかもしれない。
トルマリンの力を、癒やしを、あるいは刺激を、リアルに想像しよう。
イメージが始まると同時に、そしてイメージが終わったあとも、トルマリンはあなたが望んだ箇所へと、その癒やしの力を注ぎ続けてくれるだろう。
エネラルドの癒やしは根本へ届く
この世で最もレベルの高いヒーリングストーン―――それがエメラルドだ。
この限りなく高貴で、そしてどこまでも優しい緑色は、それをひと目見ただけで、目を始めとした全身の神経を、ほとんど瞬時に癒やしてくれる。
エメラルドの癒やしのパワーは、極めて微細で根源的な部分へも届く。
肉体であれば、神経、細胞、遺伝子の領域。精神面であれば、当人がすでに忘れたと思っている―――にもかかわらず、いまも痛みを発し続けている―――古い心の傷、などだ。
エメラルドの癒やしを十全に利用するには、やはりその神秘的な緑色を心に想いながらおこなう光の瞑想こそ最適だろう。
目を閉じ、みずからがエメラルドグリーンの光に包まれるのを想像しよう。
血管や神経にもその光が流れ込み、緑色に輝いていく。やがてあなたの細胞のひとつひとつが、緑色の輝きに包まれる。
遺伝子の螺旋も同様に輝き、やがてあなたを構成する原子のひとつひとつすらが光りに包まれ、緑の光そのものとなっていく。
緑色の光は、あなたの心や魂の領域にも入り込む。
光が、深く深く染み込んでいく。その染み込んだ先、あなたの奥底になにが在るのか―――つまりどのような傷やダメージ、トラウマが在るのか―――そんなものを気にする必要はない。
光は静かに、ただただ染み込んでいく。染み込みながら、癒やしてゆく。そしてあなたの心や魂も、いつしか癒しの光そのものと化してゆくのだ。