メタリックなシルバーブラックが美しいヘマタイト。

 赤鉄鉱とも呼ばれるその名の由来は、この鉱物を粉末状に砕いた場合、血のような赤色になる性質からきている。

 ヘマタイト(hematite)という英語名も、ギリシャ語における「血」に由来するものだ。このように、人の身体を流れる血に大きな影響力を持つパワーストーンといえる。

血液を強くし、血を清め、心身を活発にする健康の石

 ヘマタイトはかなり直接的に、持ち主の血の健康に作用する。

 ヘマタイトを持つと赤血球の働きは活性化し、血液の働きもまた活発なものとなる。

 血と血管も清められ、ドロドロとした汚れや濁りのない美しいものとなる。

 血の流れによって酸素や栄養素は全身にバランスよく運ばれ、頭脳を明晰にし、肉体をタフに、元気にする。

 体の健全化は心も安定させ、やがて精神的なレベルも向上させる。

 なにがあっても動揺することのない強きハート、常にやる気と意欲に満ちた精神を得ることができるのだ。

鋼のようなオーラをまとい、あらゆる悪、敵を近寄らせない石

 またヘマタイトは戦士の石でもある。

 ヘマタイトはローマ神話の戦いの神「マルス」の石だとされている。

 天体において、マルスはすなわち火星だ。偶然か否か、昨今、火星にもこの鉱物がたくさんあることが分かったそうである。

 ともあれヘマタイトは、危機に際しての護符、戦いのためのお守りとして古くから用いられてきた。

 ヘマタイトを持つことで怪我をしにくくなり、また怪我をしても治りやすくなると信じられた。

 実際、ヘマタイトは“戦う”人を守り、支えてくれるパワーストーンだ。

 前述通り精神的にも肉体的にも活力が高まるので、戦士としての過酷な訓練や、試練、苦難にも耐えられるようになる。

 勝つこと、生き残る事への本能的欲求も高まり、何事にも真剣でがむしゃらになる。

 それらヘマタイトの効果は、いうまでもなく、実際の暴力を用いない現代社会における“戦い”にも有効だ。

 またヘマタイトは、まるで鋼の甲冑をまとった騎士のようなオーラで持ち主を守る。

 敵はそのオーラを感じ、とても敵わないと思って、ヘマタイトの主に白旗を揚げることになる。

 またその他の悪意ある者たちも、ヘマタイトの主を怖れ、敬遠するようになる。

 そういう意味で、無用な争いを避けることにも有効なパワーストーンだといえる。