文字通り黒い水晶であるモリオン(黒水晶)。
その内に秘めた漆黒は、限りなく澄んだ根元たる闇であり、また無限を象徴するものでもある。
パワーストーンの中で「最も力の強いもののひとつ」と呼ばれる石だ。
モリオンと“呪い”
モリオンには、他のパワーストーンにはない特殊な使用法があるといわれている。
それは“呪い”。
モリオンの膨大なエネルギーを利用し、自らの憎しみの念を増幅させ、敵対者に送り、その破滅を祈るのだ。
むろん、そんな使い方をするべきではない。
道徳的な問題はいうまでもないが、どうせうまくいくはずがないからだ。
呪いという“技術”は、極めて難易度が高く、そして不安定なものだ。
「呪いは返れば10倍返し」
といわれる。もし呪いに失敗してしまったら、そのエネルギーは10倍になって術者自身に返ってくるということだ。
「人を呪わば穴二つ」
この言葉はみなさんもご存じだろう。他者に害をなそうとすると、結局自分にもなにか悪いことが起き、墓穴がふたつになるということである。
むかしの日本において、呪術を生業とした陰陽師たちが、呪い返しにあうことを覚悟して墓穴をふたつ用意させた―――という話に由来する言葉だ。
プロの陰陽師たちですらそうなのだから、素人が行う呪いにおいては何をか言わんや…。いや、実際のところ墓穴はひとつだけとなる。呪った相手には何の効果もなく、術者だけが墓穴に入るのだ。
よってモリオンを―――あるいは他のパワーストーンもだが―――そのようなネガティブな願望に利用しようとする行為は、自ら破滅したいとか不幸になりたいとかでもない限り、断じて行うべきではない、といえるだろう。
モリオンが持つ魔除けの力
一方、モリオンは正しく使うなら非常に強い浄化作用、魔除け、アンチ・カース(呪いの無効化)の効果を有している。
モリオンの中の漆黒はすべてを受け入れる。
光や色彩の勉強をされた方ならご存じかも知れないが、黒い物質は光に含まれるすべての色彩を吸収する性質がある(正確にはすべての色彩を吸収するから黒く見える)。
様々なエネルギーにとってのモリオンもそれと同じ。
良きエネルギーも悪しきエネルギーも、すべてを受け入れ、そして水晶独自の強力なエネルギーによってそれらを浄化するのだ。
悪いエネルギーは消え去り、良きエネルギーはよりその純度を増して、パワーと効力を高める。
現代社会を生きていると、知らず知らずの間に悪いエネルギーをその身に受けることは避けられないが、モリオンを身につけていれば、それら負のネルギーの悪影響を、ほとんど自動的に消し去ってくれるだろう。